技術情報を更新しました

技術情報ページに、以下を追加しました。


Geo-Stick Technical Report Vol. 010

ビルの各階における層間変形を推定

ビルの各階にGeo-Stick が設置されている場合に、計測値から各階における最大層間変形を推定する方法を検討しました。 各階の剛性が同じであり、減衰が無く、各階で最大加速度が同時に生じたことを前提とする概略値です。


Geo-Stick Technical Report Vol. 011

最大層間変形の推定法を検証(1)

多質点系モデルによるビルの最大層間変形の推定方法の妥当性を、同じ質点系のモデルによる数値解析結果と比較し検証しました。 解析には、株式会社ストラクチャーがフリーソフトウェアとして公開している「かんたん振動解析ver.1.0.0.1」 を用いました。


Geo-Stick Technical Report Vol. 012

最大層間変形の推定法を検証(2)

多質点系モデルによるビルの最大層間変形の推定方法の妥当性を、一般的なビルを想定した数値解析結果と比較し検証しました。 解析には、斉藤大樹教授(豊橋技術科学大学建築・都市システム学系)が開発されたSTERA 3D ver.8.7 を用いました。


詳細は技術情報ページよりDLください。

J-SHIS

Geo-Stickの診断サービスでは、Geo-Stickが設置された計測ポイントにおいて、想定断層を震源とする地震時における、最大加速度などの推定値を提供しています。この想定地震断層には、J-SHISマップに示されている主要活断層帯のデータを用いています。J-SHISとは、Japan Seismic Hazard Information Stationの略称で、K-NETと同じく国立研究開発法人防災科学技術研究所が運営するWebサイトです。

http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/

Web上にはJ-SHISマップと呼ばれるサービスがあり、「全国地震動予測地図」として日本地図上に地震時の様々な予測値が表示されています。予測地図は、日本及びその周辺で起こりうる全ての地震に対して、その発生場所、発生可能性、規模を確率論的手法によって評価することで得られた「確率論的地震動予測地図」と、主要活断層帯で発生する地震に対する詳細な強震動予測に基づく「震源断層を特定した地震動予測地図」に大別できます。後者の予測のために用いられた主要活断層帯に関しては、その形状や想定マグニチュードなどがJ-SHISマップ上で閲覧できます。

Geo-Stickの診断サービスでは、この主要活断層帯のデータと距離減衰式を用いて、Geo-Stickが設置された計測ポイントの理論最大加速度を求め、これに計測結果に基づく倍率を乗じて、計測ポイントの最大加速度を推定しています。

K-NET

Geo-Stickの計測結果を用いた構造物の診断サービスでは、K-NETが提供するデータを用いています。K-NETとは、国立研究開発法人防災科学技術研究所が運用する全国強震観測網でKyoshin Netの略称です。特徴は、全国を約20km 間隔で均質に覆う1,000箇所以上の観測施設からなる、密度の高い強震観測網であることと、地表面上に統一した規格で強震計が設置されている点です。運用開始は1996年6月で、これ以降の全国の地震に対応した貴重な記録に接することができます。Webに設置されたページでは、地震の検索機能なども充実しており、データを見たい地震に適切にアプローチすることができます。

http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/

http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/data/

K-NETが提供する興味深いWeb上のサービスに、強震モニタがあります。これは、いわば日本列島の揺れの状態のライブ中継です。大きな地震のときばかりでなく、列車の通過や工事、あるいは小規模の地震などで地盤は常に揺れています。この揺れの状況が日本列島の地図上に表示され、リアルタイムに揺れのモニタリングができます。過去の地震時における揺れの伝播の様子を見ることもできますし、緊急地震速報とも連動しているようです。将来の地震防災につながる技術だと考えます。

http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/

スマートフォンを使った地震時の計測

スマートフォンには、Geo-Stickに搭載されているものと同様のMEMS加速度センサーが装備されています。これが計測しているデータをアプリで取りだせば、スマートフォンを振動計として動作させることができ、地震時の振動を捉えて震度などを表示させることもできます。また、スマートフォンは多くの人が保有しており、地震が発生した場合に様々な場所で振動を捉えることができ、これらのデータを集めることができれば、地震で揺れやすい場所を調べたり、地震動の伝わる様子を可視化することができる可能性を秘めています。米カリフォルニア大などの研究チームが開発したMyShakeと呼ばれるアプリでは、震源に近い場所でスマートフォンが捉えた地震動が、どのくらいで自分の場所に伝わってくるかをユーザーにしらせ、注意を喚起することを目標としています。

https://play.google.com/store/apps/details?id=kr.sira.vibration&hl=ja

https://play.google.com/store/apps/details?id=edu.berkeley.bsl.myshake&hl=ja

http://www.hakusan.co.jp/LABO/i-jishin/

https://qt.weathernews.jp/

Geo-Stickでは、地震時の揺れに基づく構造物の診断を目的としているため、同じ場所に長期間しっかり固定されていることを前提としています。これにより、構造物の大地震時の揺れや経年変化、地震時の損傷などを推定することができます。もちろん、多くの構造物にGeo-Stickが設置されれば、スマートフォンを用いたものと同様なサービスも可能となります。

サンプリング周波数

Geo-Stickで用いているMEMS加速計測モジュールは、1Hzから200Hzでのデータサンプリングが可能で、Geo-Stickでは100Hzでのサンプリングを標準としています。

一般的に、構造物での地震時の振動計測では20Hz程度までの周波数の振動を対象としています。周期でいうと0.05秒です。剛性の高い鉄筋コンクリート造のビルでは、その固有周期はビルの高さ×0.02秒ほどといわれています。固有周期とは、その構造物が揺れやすい(揺れが増幅されやすい)振動の周期のことです。極端な例として、高さ3mの鉄筋コンクリート造のビルを考えると、0.06秒が固有周期となります。構造物の振動計測では、この揺れを捉えることができることが目安となります。

http://www.taisin-net.com/solution/online_seminer/mensin/b0da0e000000conh.html

http://www.obayashi.co.jp/service_and_technology/pickup008

20Hzのサンプリング周波数の振動計測装置では、計測の周期が0.05秒なので、この固有周期の構造物の振動は捉えられそうですが、構造物が1周期の振動をする際の計測が1回なので振動の波形は捉えることができません。1周期の振動を4~5点で計測できれば波形として捉えられることから、計測のサンプリング周期は0.01秒、周波数でいえば100Hzの計測が必要となります。

なお、木造や中低層の建物の固有周期は0.2~1秒といわれており、100Hzのサンプリング周波数で十分なデータが得られます。