フーリエ変換

前回、Geo-Stickが記録した揺れ(加速度)の特徴を分析するためにスペクトルを用いることを説明しました。スペクトルは、波形をさまざまな周波数の波を重ね合わせたものと考え、それぞれの周波数の波がどのような割合で含まれているかを求めることで得られますが、このときの数学的な処理方法をフーリエ変換といいます。連続した波を、周波数ごとに区切ってその割合を調べるので、アナログ情報をデジタル情報に変換する手法と捉えることもできます。

→ウィキペディア:フーリエ変換

フーリエ変換は、1811年にジョゼフ・フーリエというフランス人が提唱しましたが、1965年にCooleyとTukeyがコンピュータを使って高速に行う手法を発表し、一気に実用化が進みました。高速フーリエ変換、FFTと呼ばれる手法です。フーリエ変換自身がアナログ情報をデジタル情報に変換する手法であり、アナログ情報である音声や画像などもFFTによりデジタル情報化されます。

現在では、mp3をはじめとする多くの音声フォーマットや、JPEG画像の圧縮などに、FFTは無くてはならない技術となっています。

フーリエスペクトル

Geo-Stickの診断サービスでは、たびたびスペクトルという言葉が出てきます。これは、加速度振幅フーリエスペクトルを略して用いているもので、Geo-Stickが記録した揺れ(加速度)の特徴を分析するために使うものです。

加速度は、時間とともに変化する波形として記録されますが、このままでは揺れの特徴がわかりません。そこで、波形をさまざまな周波数の波を重ね合わせたものと考え、それぞれの周波数の波がどのような割合で含まれているかを求めて、その分布状況から揺れの特徴を分析します。この分布状況がスペクトルです。

→国土交通省 気象庁:フーリエスペクトルと加速度応答スペクトル

光に例えると、光も波としての性質をもっており、さまざまな周波数の光が含まれています。

これをプリズムに通すと、周波数によって屈折率が異なるために、周波数ごとに光が別れて虹色の帯が現れます。これが光の場合のスペクトルです。細かく見ると、各色の光の強さが異なっていたり、抜けている周波数があったりします。太陽光の場合は、このスペクトルを見ることで太陽の内部で生じている物理化学変化がわかります。

Geo-Stickが記録した揺れのスペクトルからも、構造物が揺れやすい周波数などがわかります。声でワイングラスを割る、という芸がありますが、ワイングラスが振動しやすい周波数の音を連続してワイングラスに与えると、振動がどんどん大きくなり、最後にワイングラスは割れます。地盤を伝わってきた地震動に構造物が揺れやすい周波数が多く含まれていると危険な状況になることが推測できます。

LTE

Geo-Stick/Wirelessでは、インターネットへの接続においてLTE通信にも対応しています。LTEとは、モバイル通信の規格である3Gを「長期的に進化」(Long Term Evolution)させ、4Gへのスムーズな移行を目指した新しい通信規格です。そのため、当初は3.9Gと呼ばれていましたが、世界的にLTEを4Gと称する通信事業者が増えてきたため、最近では4Gの一種とするのが一般的となっています。

もともとNTTドコモがSuper 3Gという名称で提唱した規格ですが、その後世界各国に普及していく過程でLTEという言葉に置き換わっていったようです。

→ウィキペディア:Long Term Evolution

通信規格の3Gや4Gで使われている「G」という言葉ですが、これは英語の「Generation(世代)」の頭文字です。たとえば、3Gというのは「第3世代」の通信規格であることを意味しています。

1Gはアナログ方式の通信規格、2Gはデジタル方式になってメールやネットの利用に対応した規格です。3Gに該当するサービスとしては、NTTドコモの「FOMA」があります。LTEでは、3Gの数倍の通信速度が期待できます。

通信速度が向上し大量のデータが瞬時にやり取りできるようになると、気になるのは通信料金です。これは使うSIMに依存しますが、料金は通信速度やデータ量の制限などによりまちまちです。

廉価なSIMでは通信量に制限がある場合が多いようですが、Geo-Stickで得た加速度データを送る程度であれば問題ありません。

Wi-Fi

現在開発中のGeo-Stick/Wirelessでは、Wi-Fi通信によってインターネットに接続します。パソコンなどを無線でインターネットに繋げる技術は無線LANと呼ばれますが、WiFiとはその中でもWi-Fi Allianceという米国に本拠を置く業界団体によって認められた機器にのみ与えられるブランド名です。Wi-Fiの名称は、国際標準規格であるIEEE 802.11規格を使用したデバイス間の相互接続が可能であることを示しています。

日本では、電波法によりWi-Fi通信機器の出力は10mW以下とされており、障害物がない状態であれば100m程度は通信が可能なようです。実際には、壁や柱などの影響により、これより短い通信距離となっています。

Wi-Fiという名称ですが、WiはWireless、FiはFidelityと説明されています。しかし、Wikipediaによれば、意外なことにこれは後付けであり、当初は全く何の意味もないものであったようです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Wi-Fi

「Wi-Fiの名称は、たとえばIEEE 802.11などの無味乾燥な規格名称よりも、キャッチーな名前を求めてHi-Fi(ハイファイ、英: High Fidelity)の韻を踏んで命名された」とされています。Hi-Fiは優れたオーディオ機器を表す名称で、広く使われています。Hi-Fiは確かに心地よい響きの言葉であり、Wi-Fiがこれをまねたのもうなずけます。

地理院タイル

Geo-Stickの診断サービスでは、Web上で地図を表示させる仕組みに地理院タイルを用いています。地理院タイルとは、Web上のサイトに地図などの情報を自由に拡大・縮小しながら表示させる仕組みで、国土地理院が提供しています。

http://maps.gsi.go.jp/help/index.html

地理院タイルは、インターネットに接続された環境では誰でも活用することができます。例えば、自社のサイト内に地図や地形を表示して、WebGISのような使い方ができます。また、標高や土地利用、画像など表示できる情報も多く、防災などの分野で様々な利用が期待されます。国土地理院のサイトでは、地理院タイルを用いたサイト構築サンプル集も提供されています。

地理院タイルは、国土地理院の地理院地図にも用いられています。この地理院地図は進化を続けており、2016年3月からは3次元表示も可能となっています。様々な情報にアクセスでき、今後の発展が期待される地理院地図を、是非一度訪れてみられることをお勧めします。

http://maps.gsi.go.jp/#5/35.362222/138.731389/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0f0

http://maps.gsi.go.jp/help/pdf/160314point.pdf