E-ディフェンス(1)

E-ディフェンス(E-Defense)とは、世界最大級の震動台を有する実験施設です。この震動台の上に実物規模の大型構造物を建設し、これの地震動による破壊実験を行うことができます。E-ディフェンスは国立研究開発法人防災科学技術研究所が所管し、施設は兵庫県三木市にある兵庫県立三木防災公園内にあります。

驚くべきはその大きさとパワーです。実験棟の面積は約5,200m2、高さ43mで、実際の地震と同じ複雑な三次元の揺れを造り出す15m×20mの震動台が装備されています。その上に最大1,200トンの構造物試験体を載せ、阪神・淡路大震災を上回る地震動をおこすことができます。戸建住宅はもとより、鉄筋コンクリート造6階建て程度の建物に震動を加え、破壊するまでの様子を観察できます。

→防災科研|E-ディフェンス
→E-ディフェンス – Wikipedia

E-ディフェンスは、阪神・淡路大震災で発生した構造物被害の教訓を活かし、地震から人命を守る構造物の設計を目指して、平成12(2000)年1月に建設が開始され、平成17(2005)年3月しました。以来、数多くの実大三次元震動破壊実験が行われています。名前に冠される”E”はEarth(地球)を表すそうです。地震国日本が生み出した素晴らしい実験施設は、世界の地震防災に貢献していきます。

スマートビル

ビルのスマート化が進んでいます。象徴的な出来事として、ソフトバンクと日建設計の業務提携が挙げられます。両社は2017年11月27日、IoTやロボットなどを活用した次世代スマートビルディングの設計開発に向けた業務提携で合意したと発表しました。

→ソフトバンクと日建設計が業務提携 | プレスリリース | ニュース | 企業・IR | ソフトバンク
→次世代スマートビルで運用費40%削減へ–ソフトバンクと日建設計が業務提携 – CNET Japan

提携では、(1)人流解析と環境センサや人感センサなどのIoTセンシングによる新しいワークプレイスデザイン、(2)IoTとロボットの導入を考慮した次世代スマートビルディングの共同検討、(3)各種IoTセンサを活用したビルのライフサイクルマネジメント最適化検証、の3点で実証実験を行うとしています。

狙いはオフィスビルの運用費の削減で、清掃に関しては、広いオフィスでも、道順など1台のロボットが学習したことを複数台で共有できる掃除ロボットによって清掃コストを削減できるとしています。また、オフィスに整備されたセンサによって、24時間の警備代行が可能になり、エレベーターや各種設備の定期点検も、センサによって常時マネジメントすることで、設備管理のコストも削減可能になるとされています。

仮に、ビルの各階にGeo-Stickが設置されていればどうでしょう。地震のたびにビルの揺れの特徴を計測し、揺れやすさや構造の経年劣化などを評価します。これらは耐震補強の検討やアセットマネジメントを通して、ビルのライフサイクルマネジメントに結びついていきます。大きめの地震では、被災箇所を推定し避難誘導の最適化を図ることができるかもしれません。Geo-Stickは、ビルのスマート化にも貢献します。

HEMS

数年前まで、住宅にHEMSを備える、といった言葉をよく耳にしました。HEMSとは、Home Energy Management Systemの略で、エアコンや照明、家電などを有線や無線でつなぎ、使用している電力をモニターなどで「見える化」するシステムのことです。

→HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム) – 環境技術解説|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア

モニターやスマホなどからエアコンや照明などの電気機器の電源をON・OFFしたり、エアコンの設定温度を変えたりといった制御も可能になります。スマートハウスと呼ばれる所以です。

住宅にHEMSを導入すると、節電効果が期待できます。家で使っている電力がリアルタイムで見えるようになれば、無駄な照明を落としたり、電気を使い過ぎないよう気を付けたりしたくなるからです。政府は、地球環境保全の観点からも、2030年までに全世帯(5000万世帯)にHEMSを普及させる目標を打ち出しています。

一方で、当初予想していた速度では普及が進んでいないようです。費用などの問題もありますが、集めたデータの活用法も見いだせず、導入の効果が期待ほどではないという声も聞かれます。

この理由の一つは、HEMSに接続される機器が、専用のインターフェースを備えており、IoTデバイスのようにインターネットに直接接続されるものではないことです。これが可能となれば、得られた情報をサービス事業者全体が統一してビッグデータ化し、新しい価値が生まれる可能性があります。例えば、気象情報と連動した室温制御や電力制御などです。

Geo-Stickは、インターネットと一体となって動作するIoTデバイスです。将来は、地震時の住宅内の情報や画像を、遠隔地のスマホで見ることができるようにしたいと考えています。HEMSだけでなく、このようなIoTを活用した住宅がスマートハウスかもしれません。

HD-PLC

100Vなどの既存の電力線を用い高速データ通信を実現する技術が、HD-PLC(High Definition Power Line Communication)です。

→高速PLC通信とは? | HD-PLCアライアンス

HD-PLCは、パナソニックの研究所が中心となって2000年に開発した通信規格であり、電力線で電力とデータの2つを一緒に伝送し、専用アダプターをコンセントに差し込むだけで電力の供給と通信を実現する優れものです。パナソニックの創業者である松下幸之助氏が発明した、電灯と家電用ソケットの両方に使える「二股ソケット」と同様のコンセプトだとされています。魅力的な技術ですが、無線LANなどの発展に押され、いったんは忘れられかけたていました。しかし、IoT時代の到来で再び注目されています。その理由は、既存の無線LANや有線LANなどに対していくつかの優位点があるからです。

1つめは、電源のあるところであれば、ネットワーク環境を容易に構築できることです。LANケーブルの新規敷設などの必要がなく、構築コストを大幅に削減できます。2つめは、通信の安定性が挙げられる。金属など無線の届かない障害物や部屋間でも通信できるので、無線通信の不安定が解決されます。その他、マルチホップ機能によりkmオーダーでの通信も可能であることや、電力とデータを同時に扱うため、通信のための消費電力を抑えられるといった優位性も挙げられます。

Geo-Stickを既存の建物に設置することを考えると、新規にネットワーク環境を構築することが困難なケースも想定されることから、HD-PLCの活用も視野に入れています。

ラズパイ

ラズベリーパイをご存じでしょうか。IoTのムーブメントが巻き起こっているなか、ラズベリーパイ(Raspberry Pi、略称ラズパイ)という言葉を目にする機会が増えています。ラズベリーパイは、イギリスのラズベリーパイ財団が開発した超小型のシングルボードコンピュータです。名刺サイズの小さな1枚の基板に、ARMベースのCPUや、パソコンを構成するハードウェアの大半が詰め込まれていて、HDMI/USB/LAN等のインターフェイスを利用することが可能です。

→ラズベリーパイ正規総代理店 – RSコンポーネンツ | 半導体・電子部品の通販 RSオンライン

ラズベリーパイは、もともと学校でのコンピュータ教育を目的に開発されており、価格が数千円に抑えられています。最初に登場したのは2012年ですが、現在ではネットワーク対応や処理速度の向上、ワイヤレス通信への対応などが図られ、2016年には累計販売数が1,100万台を超えたとの情報もあります。

→Raspberry Pi | Wikipedia

この小型で廉価なやシングルボードコンピュータは、教育だけでなくプロの製品開発分野でも使われています。Geo-Stickでも、USB/Etherの変換器の試作機として使われています。アイデア次第で、様々なIoTの実現が期待される魅力的なコンピュータです。